CoC向けオリジナルシナリオ
あの踏切にいる

謎解きしかない1本道シナリオです。
謎解き以外に特にひねったところはありません。

謎解きしないとトゥルーにいかないので、あまり慣れていない探索者さんの場合は「謎解きがある」とメタ的に誘導した方がいいかもしれません。

出題自体が分かりづらい可能性もあります。
必要な場合は途中に出てくるギミックなどを改変し、ガンガンメタヒントを出してあげてください。




~目次~



シナリオ情報


想定人数   :1~3人
推奨技能   :特になし
目安時間   :1~2時間(ボイセ)
あるとラッキー:目星
傾向     :戦闘なし、クローズド、ロストあり

選択肢によっては悩む間もなく死にます。または3分で終わります。

~このシナリオの読み方~

「※」→KP情報、シナリオ背景など。

SANc」→SAN値チェック。成功/失敗という風に値を書いています。

「---」→ここで挟まれた部分はそのまま共有メモとかに貼れるように書いたつもりです。







探索の流れ


・踏切で緊急停止ボタンを押す
 ↓
・荒廃した未来に飛ばされる
 ↓
・コンビニ、電話ボックスを探索して暗号を入手
 ↓
・暗号を解読して現代に帰還
 ↓
・踏切の緊急停止ボタンを押すor押さないの決断



暗号の解き方

非常にシンプルな内容ですが、一応。

1.暗号全文を新聞の日付順に並べる↓

 単純に考えるべきだ。
 おおげさに捉える必要はなかったんだ。

 すみずみまで対策は練っていたのに。
 なにもかもが無駄になっちまった。
 こうなることは分かっていたのに、

 ろくでなしのせいで結局このザマだ。
 せめてもの救いを挙げるなら、
 ぼくらの調査はあっていた。


2.一番最後の行を一番最初に持ってくる

 ぼくらの調査はあっていた。 ←

 単純に考えるべきだ。
 おおげさに捉える必要はなかったんだ。

 すみずみまで対策は練っていたのに。
 なにもかもが無駄になっちまった。
 こうなることは分かっていたのに、

 ろくでなしのせいで結局このザマだ。
 せめてもの救いを挙げるなら、


3.先頭文字縦読み

 ぼ

 単
 お

 す
 な
 こ

 ろ
 せ

「ぼ単おすなころせ」
 →「ボタン押すな殺せ



導入


探索者たちは各々の生活を終え、帰路につく途中。
ふと帰り際に、NPCである友人からこのようなことを聞かされる。

※季節を問われたら1~3月と答えてください。
※NPCの設定はおまかせします。セリフしかないためステータスはなんでもOK。
 GMさんが探索者の友人であるPCを持っていた場合はそのPCを使うとスムーズかも。

町外れの踏切に最近不審者が出るらしい。あまり近づかない方がいい

ここで探索者に、その踏切は帰り道に必ず通らなければならないところであると伝える。
探索者が踏み込んで聞くと、NPCは以下のことを教えてくれる。

最近踏切の側でじっと佇んでいる黒コートの男がいる。
コートの男は何をするでもなく踏切を睨みつけている。
踏切の非常停止ボタンをいじって警察に注意されているところを見たという噂も。
男の正体は不明。

その話を聞いた後探索者は帰路につき、やがて町外れの踏切にたどり着く。

踏切に至るまでは長い一本道。
踏切があるのは町外れの閑静な場所で周囲に建物はほとんどなく、踏切が降りるのも1時間に1回程度。

探索者は徒歩でも自動車でも二輪車でも構わない。
探索者が踏切に近づいたところで、カンカンカン……と信号の音が鳴り響き、遮断機が降りていく。探索者は踏切の前で待つことになる。

そして遮断機が降りきったところで、探索者は突然けたたましい赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。
泣き声の元は、遮断機が降りた踏切の中。
線路の上に赤ん坊が包まれているであろうおくるみが置かれている。

線路の右手からはどんどん電車が近づいており、このままではすぐに赤ん坊が電車に轢かれてしまうことが分かる。

※なにか探索者が調べようとした場合、電車はすぐそこまで迫っており、赤ん坊が轢かれるまで1ターン程度の行動しかできないと伝えてください。


◆何もしない(踏切外にずっといる)
この場合アイデアを振らせ、放っておけば赤ん坊は間違いなく死んでしまうことを強く促す。
それでも何もしなかった場合→ED【何もいない】


◆踏切に飛び込んで助けようとする
この場合アイデアor目星を振らせ、成功で非常停止ボタンが目に入る。
失敗or無視して線路に飛び込んだ場合→ED【尊い犠牲】


◆緊急停止ボタンを押す
非常停止ボタンを押すと宣言があった場合、目星を振らせる。
成功で探索者は、遮断機の向こう側に走り去っていくコート姿を見る。

探索者が非常停止ボタンを押した瞬間、――けたたましいほど鳴っていた全ての音が消える。
遮断機が降りる音、赤ん坊の泣き声、風の音すら聞こえない。
まるで時間が止まったかのような錯覚のあと、探索者は強い立ちくらみにあう。







あの踏切にいる


立ちくらみから解放された探索者は、変わらず踏切の非常停止ボタン前に立っている。
しかし周囲を見回せば、その景色が一変していることがすぐに分かる。

視界はあなたが知っている踏切周辺そのものに見える――少なくとも地形は。
しかし視界に入る建物は全て崩れており、目の前の遮断機も線路もボロボロ。アスファルトにはヒビが走り、空は雲で埋め尽くされ薄暗い。
そして音一つなく、生命の気配は一切ない。
突然荒廃した世界に放り出され、SANc0/1

電波機器は一切電波が立たず、時計は狂っている。

探索者は踏切の信号の足元に古びた新聞紙が落ちているのを見つける。

◆古びた新聞紙
風で風化し千切れているが、ギリギリ内容と日付が読み取れる。
内容は以下の通り。

---
20**年 9月**日
本日午後四時、政府は「今回の件について、住民の避難は不可能である」との最終的な声明を発表。
◯◯地方の変死者について今後捜査が再開される見込みはない、
なお被害地域は拡大を続けており、もう間もなく日本全土に

(ここから先は千切れて読めない)
---

20**年の部分は探索者から見て1年後、◯◯地方は探索者が住んでいる地方である。

・新聞を読んだ後アイデアを振らせる
 →成功した場合、ここは自分が住んでいる地域の未来なのでは? とひらめいてしまう。
  よく知った地域の変わり果てた姿にSANc0/1

また新聞紙の裏面に、マジックで書かれた走り書きを見つける。
内容は以下。

---
ろくでなしのせいで結局このザマだ。
せめてもの救いを挙げるなら、
ぼくの調査はあっていた。
---

探索者が探索を始めようとした場合、踏切の向こう側か、踏切のこちら側か、どちらを探索するか聞く。
踏切の向こう側もこちら側も、一見したところ同じように荒廃しているように見える。


◆探索者が踏切を渡る
踏切を渡っても問題はない。
(元の世界に帰還する際、踏切を渡る回数に注意)
踏切を渡った場合も、↓の『踏切よりこちら側を探索する』場合の描写を行う。

※踏切の周辺は時空が歪んでおり、どこまで歩いても必ず踏切に戻ってきてしまいます。


◆踏切を渡らず、踏切よりもこちら側の街を探索する
探索者が一本道を戻ると、やがて信号のある横断歩道にたどり着く。
アスファルトは風化し、吹き溜まりには灰色の砂が溜まっており、瓦礫のように無人の車が錆びついている。
信号の近くには元コンビニだった建物が見える。

道はまだ続いている。コンビニを探索することも可能。



コンビニ


内装は寂れきっており、商品などは一切残っていない。
割れたガラスや外から入り込んだ砂が店内に散乱している。


◆店内をぐるりと巡るor店内に目星
 →雑誌棚に一つだけ新聞があるのを見つける。
  1面しか残っておらず、一つの事件についての記事らしい。
  読んで要約すると大体以下の通り。

---
20**年 4月**日

○○市の警察署内で怪死が相次いで発生している。
警察は事態の究明を急いでいるが、怪死による人員不足にも追われている。
---

・新聞に目星or新聞を詳しく見る
 →新聞にマジックペンの走り書きを見つける。

---
単純に考えるべきだ。
おおげさに捉える必要はなかったんだ。
---







電話ボックス


道なりに歩くと電話ボックスが目に入り、その中に人影を見つける。
黒いコートを着た男性のように見える。

電話ボックスの外から目星、または電話ボックスの扉を開けると、それは生きた人間でなく全身カラカラに干からびた遺体であることが分かる。
遺体は干からびた両目を見開き、全身を蠢く異常な斑点で覆われていた。SANc1/1d3


◆遺体をよく見るor遺体に目星
 →コートの胸ポケットから手帳らしきものが覗いている。

手帳を開くと中身はほとんど引きちぎられており、1ページのみ残っていた。
その1ページの内容は以下の通り。

---
【手帳】
失敗だった。もうダメだ。奴は成長しきってしまった。
私はあいつに抵抗する術を持たない。
もうまともな人類の誰も奴に抵抗することなどできないだろう。
---

※ミスリードになりやすいので、必要であれば謎解きに手帳は関わらないことを伝えてください。


また読んだところで、手帳の内側に蛍光色の付箋が貼られているのに気づく。
内容は以下の通り。

---
帰りたいなら 踏切を3度渡れ
---


◆電話ボックス内をよく見るor目星
 →遺体の足元に新聞がある。

特報らしく、一枚しかない。
ざっと読み要約すると、大体以下の内容である。

---
20**年 7月**日

○○地方から広まった怪死事件は未だに拡大を続けており、犠牲者はとうとう○千人となった。
死亡した者の遺体はすべて一切の体液を失っており、全身を異様な斑点に覆われている。
どのような科学技術を用いても、このような状況を再現するのは不可能であるという。
---


・目星or新聞を詳しく見る
 →新聞にマジックペンの走り書きを見つける。
---
すみずみまで対策は練っていたのに。
なにもかもが無駄になってしまった。
こうなることは分かっていたのに、
---



帰り道


=====
※探索者が暗号に気づいていなかった場合、帰り道で以下のギミックを描写する。

◆帰り道に目星
 →道端に1冊の本が落ちている。ボロボロに風化しているが、読むことはできそう。
  開いてみると暗号についての本。子供向けの簡単な内容になっている。

本の内容をよく読むorアイデアを振らせる
 →本の内容は全てで5章のようだが、中身は「5章→1章→2章→3章→4章」という順番になっている。
=====


◆引き返す
 →今まで歩いてきた通りの道を戻れる。


◆電話ボックスからさらに先に進む
 →いつの間にか目の前に踏切が現れる。もちろん最初に立っていたあの踏切。
  そんな地理のはずがない。けれど振り向けば、あなたが今まで歩いてきたはずの道はなく、最初に出発した一本道が続いている。理解できない次元の歪みにSANc0/1


◆踏切
 →変わらずボロボロの姿でそこにある。

=====
※探索者が暗号に気づいていなかった場合、以下のギミックを描写する。
 縦読みであることの暗示。

非常停止ボタンの上部に蛍光色の付箋が貼られていることに気づく。
書かれている言葉は以下のみ。酷く焦ったように走り書きされている。

---
---
=====


◆踏切を3回渡る
往復なりなんなりして踏切を渡るやいなや、強いめまいが襲う。
それと同時に、けたたましい赤ん坊の泣き声と電車の音が聞こえてくる。

目を開ければそこは荒廃していないいつもの踏切。
カンカンカン……と音を鳴らしながら、目の前でちょうど遮断機が降りたところだった。

線路には見覚えのある、赤ん坊が包まれているだろうおくるみがある。
赤ん坊の泣き声はそこから響き、視界の端には近づいてくる電車が見える。
放っておけば、あの赤ん坊はこのまま電車に轢かれてしまうだろう。

選択肢は以下(探索者の意思が明確にあれば、別に選択肢は出さなくても良いです)
  • 線路に飛び込んで赤ん坊を助ける
  • 非常停止ボタンを押す
  • 非常停止ボタンを押さない

※この他の行動を探索者が希望すれば許可しても良いが、赤ん坊が轢かれるまで1ターン程度の行動しかできないと伝えてください。







ED分岐


◆線路に飛び込んで赤ん坊を助ける
探索者が赤ん坊に振れると同時にPOW対抗を行う(能動…探索者/受動…24)。

・POW対抗に失敗
 探索者は突然くらりと意識が遠のくのを感じる。
 自分の精神が何処か遠くへ引き剥がされるような感覚――しかしそれは幸運でもあったのかもしれない。
 探索者は、無残にも電車に轢き殺される自分を認知せずに済んだのだから。

ロスト


・POW対抗に成功
探索者は赤ん坊を抱えることができる。
さらにDEX*5に成功で赤ん坊を抱えたまま無事に線路から脱出できる。
DEX*5に失敗した場合、考える間も無く身体が電車の車輪に飲み込まれ砕かれていく。→ロスト

DEX*5にも成功した場合、線路から脱出したあなたの背後で電車がけたたましいブレーキ音を挙げる。
腕の中の赤ん坊は未だに泣き続けている。

・赤ん坊に目星
 →赤ん坊の肌に小さな斑点のようなものを見つける。

やがて電車は動き始めるが、パトカーの近づいてくる音があり、探索者が移動するよりも早く警察が到着する。
(一本道なので、探索者が移動していようと警察と鉢合わせる)

警察は探索者に事情を聞いた上で、探索者が抱えた赤ん坊を預かってくれる。

※電車の運転士には線路に置かれた赤ん坊は見えておらず、あくまでも探索者が線路に飛び込んだため電車は急ブレーキをかけた、という事になっています。


 危機一髪の状況を乗り越え、帰路につく探索者。
 そして探索者は数日後、妙なニュースを目にする。
 探索者が住む地域の警察署内で、立て続けに連続不審死が起こっているという。
 奇しくも一番最初の不審死が起きた日は、探索者が踏切で赤ん坊を助けたあの日だった。

 さらに数日後、探索者は街で声をかけられる。
「あの、すみません……」
 振り向けばそこにいたのは、小学生くらいの小さな子供。
 子供は探索者に微笑みかける。
「あの時はありがとうございました」
 不思議なことを言う子供の首に、奇妙な斑点が浮かんでいることに探索者は気づくだろう。
 しかしその疑問を指摘するより前に、――探索者は突然視界がくらむ。
 自分の精神が何処か遠くへ引き剥がされるような感覚。その感覚の中探索者が最後に見たのは、自分の身体に忍び寄る暗闇だった。

 →ロスト


◆荒廃した世界から帰ってきた後、非常停止ボタンを押す
 電車がけたたましいブレーキ音を立てる。
 あわや赤ん坊が轢かれるか……という直前で、電車は止まった。
 運転士は線路の真ん中にいた赤ん坊の存在に驚き、探索者は状況説明の協力を求められることもあるだろう。

※電車からは運転士には線路に置かれた赤ん坊は見えていませんでした。

 赤ん坊についてはひとまず警察に預けることになる、としばらく後に探索者に連絡が届いた。

 危機一髪の状況を乗り越え、帰路につく探索者。
 そして探索者は数日後、妙なニュースを目にする。
 探索者が住む地域の警察署内で、立て続けに連続不審死が起こっているという。
 奇しくも一番最初の不審死が起きた日は、探索者が踏切で赤ん坊を助けたあの日だった。

 さらに数日後、探索者は街で声をかけられる。
「あの、すみません……」
 振り向けばそこにいたのは、小学生くらいの小さな子供。
 子供は探索者に微笑みかける。
「あの時はありがとうございました」
 不思議なことを言う子供の首に、奇妙な斑点が浮かんでいることに探索者は気づくだろう。
 しかしその疑問を指摘するより前に、――探索者は突然視界がくらむ。
 自分の精神が何処か遠くへ引き剥がされるような感覚。その感覚の中探索者が最後に見たのは、自分の身体に忍び寄る暗闇だった。

 →ロスト


◆非常停止ボタンを押さない
 電車は一向に止まる様子を見せない。
 あなたは目の前で赤ん坊の身体が電車の車輪に飲み込まれるのを見る。
 真っ白なおくるみを分断する鉄の車輪、電車の騒音に飲み込まれかき消される赤ん坊の絶叫。
 その光景にあなたは、本能的・絶対的な恐怖感を覚える。SANc0/1。

 しかし電車が通り過ぎた後、探索者はおかしな光景を見る。
 線路の真ん中にあるはずの赤ん坊の遺体がなくなっている。
 まるで何事もなかったかのように、綺麗なままの線路がそこに佇んでいた。

 違和感に首を傾げながら、はたまた恐怖に身をすくませながら、探索者は帰路につくのだった。

 →生還

※未来世界から持ち帰ったものがある場合、全て形を失っています。
 写真などを撮っていた場合もデータは消えています。
 (そんな未来は存在しないため)




報酬


◆1人の場合
  • 生還1d4


◆複数人の場合
  • 生還 1d2
  • 1番最初に謎を解いた探索者 1d2







製作背景とか裏話


赤ん坊は下級の奉仕種族『捜し求めるもの』です。
探し求めるもの』は人間に擬態し、POW対抗のもと人間をアドゥムブラリに捧げます。
今回の赤ん坊の個体はかなり強力な存在で、さらに成長するという特殊な面を備えていました。

バッドエンドルートで探索者が最後に出会う子供は、赤ん坊だった『探し求めるもの』が成長した姿です。
この子供は能力値も成長しており、POWが28に達しています。
常人であればPOW対抗は自動失敗となるため、この子供が次々と人間を狩っていました。
最初にこの子供が現れた市は一番大きな被害を受け、そのまま荒廃してしまった……というような感じです。

(何らかの事情で探索者のPOWが19以上であり、POW対抗に成功してしまった場合の判断はGMに委ねます。
 子供は助けてくれた人間に執拗に接触しにくるため、何回もPOW対抗してるうちに狩られてしまう……ということになりそうですが)

黒コートの男は『探し求めるもの』の正体を見抜いていた魔術師です。
しかし何らかの事情で自分で赤ん坊を殺すことができず、電車に轢いてもらおうと思った……というような感じです。

あの踏切に赤ん坊がいる、というのと、今私はあの踏切にいる、というダブルミーニングをこっそり仕込んだタイトルでした。
よく分からなくなっちゃいましたが。