四ヶ内(しがない)と申します。
日々コツコツとCoCシナリオを蟻の歩みで書き進めております。

シナリオを思いつくきっかけは人それぞれ。
とはいえ、もっと色々オリジナルシナリオを書いてみたい! でもなかなかネタが出てこない……という方もいることでしょう。

というわけで今回はとっても簡単な、恐らくこの世で一番簡単なシナリオのネタ出しの仕方
それも間違いなく、あなた自身にしか書けないシナリオのネタ出しの仕方の話です。




~目次~







「この探索者が黒幕だったらどんなシナリオになる?」


と、いうことでこれだけです。

……身も蓋もないですが。

CoCのシナリオを作ってみたい! と思った時点で、ある程度ご自身もCoCをプレイヤーとして楽しまれていることでしょう。
自分の探索者も何人かいるはず。

そんな探索者一覧を眺めて、「もしこいつが黒幕だったらどんな事件が起きる?」と妄想するのです。

探索者ごとに発端も様々。

  • 職業
  • 人柄
  • 技能
  • 背景

それぞれが持つ魅力を元に、「もしこいつが黒幕になるとしたら、どんな事件を起こすだろう」と考えてみます。


四ヶ内の自探索者からいくつか例を上げてみますと……。


【パターンA】ネット犯罪者PC(男)

コンピュータ・ウイルス(75%)、芸術:ハッキング(75%)、オカルト(45%)、精神分析(71%)持ちの探索者です。
趣味でクラッカーをやっているこの男、オカ板などをチェックしては燃えやすそうなところを自分で煽り、自分で鎮火させる(精神分析)という趣味があります。

この男が黒幕ならやはりキーとなるのは『コンピュータ・ウイルス』でしょうか。
クトゥルフっぽさを織り交ぜると、人に感染するコンピュータ・ウイルス、らへんかな。
一定の条件でアクセスした人がぞくぞくと死んでしまう掲示板のシナリオなんかがそれっぽいかもしれません。なお愉快犯。


【パターンB】引きこもり作曲家PC(男)

製作:作曲(85%)、英語(85%)、心理学(85%)を持つ作曲家。
APP5に相当する全身火傷がコンプレックスで、基本的には引きこもって生活しています。

彼が黒幕ならば、やはり音楽が関わっていなければ嘘ですね。
聴くごとに相手の心理学に補正を与えていく、いわゆるサトラレになってしまう音楽が流行ってしまうとか。それをどうシナリオに活かすかが問題になりますが。
最終的にラスボスとしてこの男の家に乗り込んだ後、心理戦として心理学対抗を振らせても楽しいかもしれません。


【パターンC】情報工学部大学生PC(女)

コンピューター(66%)、心理学(85%)、クトゥルフ神話(3%)を持つ大学生。
彼女は大学に入るまでは全く友達がいなかったという背景があります。

コンピューター能力を駆使し、彼女の理想の世界を作り上げたプログラミングの次元に迷い込んでしまう……とかいう雰囲気は結構四ヶ内の好みです。



「この探索者が黒幕だったら」のパターンを増やしてみる


上で出したサクッとしたシナリオ案をちょっと深めてみましょう。
それは、探索者がどういう黒幕なのかというバリエーションをつけるということ。
ここまでくると、黒幕というよりは『原因』という言い方が正しいかもしれませんね。

  • 事件の発端
  • 巻き込まれた
  • 事故だった

実際の探索者たちの技能ではクトゥルフ関係のうんたらをどうこうする技術はありませんが、今回はシナリオを成立させることが優先なのでそこはご都合主義で話を進めます。

付け足してみるとこんな感じ↓


【パターンA】ネット犯罪者PC(男) + 事件の発端

全部こいつのせい。見事なまでの黒幕です。
こいつがこういう事件起きたら楽しそうだなぁ、と案を練り、実行し、多くの人を巻き込み死に至らせました。

この男は愉快犯であるため、恐らく人を殺すコンピュータウイルスのワクチンも用意しているでしょう。
ただしワクチンの解放にはさらなる多大な犠牲を払う必要があるか、ワクチンが後一歩で手に入るというところで消滅してしまうという展開が想像できます。
いわゆる胸くそ悪い系NPCですね。

もっと胸くそ悪くするためには、男の足取りは一切つかめない、どう頑張っても特定できないというオチが良いかもしれません。
探索者たちは事件を阻止することはできたけれど、犯人を捉えることはできなかった。
もしかしたら今後もっと最悪なことが起こるかもしれない……という不安を孕んだエンドです。
狂ってやがる。


【パターンB】引きこもり作曲家PC(男) + 巻き込まれた

聴いた人間をサトラレ化していってしまうmp3ファイル。
そして作曲者の元に乗り込んでみれば彼はもはや完璧なサトラレと化しており、無条件に他人の思考に自分の感情を伝播させてしまう存在になっていたのでした。
鳴り止まないこいつ、頭に直接……!?のSANcをかいくぐり、作曲者を精神分析で落ち着かせたら事情を聴くターン。

彼自身もとある人物をサトラレ化したかった第三者に操られていたらしく、彼を味方にした時点でmp3ファイルを無効化してくれます。
二段オチをつけるならば、シナリオ内に伏線をばらまいて、探索者たちが最後に真の黒幕(第三者)に天誅与えるみたいな展開だとスカッとするでしょう。


【パターンC】情報工学部大学生PC(女) + 事故だった

彼女は偶然魔導書を手にとってしまい、そこから魔導書に潜んでいたものの侵食がどんどん進んでしまいます。
しかし侵食が進むごとに彼女自身も自我を失っていき、最後には自分がこの騒動の発端であるということも忘れてしまっているのでした。
条件を満たして彼女から本当の黒幕である神話生物的なサムシングを引きずり出し、叩きのめせばトゥルー。







一般化を忘れない ~参加PCをしらけさせないために~


そして自探索者を絡ませたシナリオで、最後に忘れてはいけないのがこの一般化作業
いわゆる、思い入れを抜く作業です。

自分の探索者を元ネタにすると、どうしてもこだわりが強くなります。
キャラクターとしての人間性や背景やこれまでの遍歴をどうしても盛り込みたくなるのです。

……が、そこは我慢。
なぜならシナリオに関係ない身内ネタは、参加したPLさんを盛大にしらけさせてしまう可能性が高いためです。

例えば上で出てきた引きこもり作曲者ですが、彼には、
高校時代初めて音楽と出会い、親友を得た。親に反対されたものの家出同然に音楽学校に進学し作曲を学び始める。
 しかし留学先のアメリカで猟奇事件に巻き込まれてしまい全身大火傷。
 なんとか日本には戻ってきたものの、知り合いたちに今の自分の姿を見られたくなくて外出を控えている
という背景があります。

……が。
これをシナリオに効かせると正直すごいくどくなります
シナリオの本質でない場合、これらの背景は全部伏せた方が無難です。
聞かされた側が「そんなん言われても……」ってなります。

特に配慮が必要だと感じるのが、キャラクターの背景依存のお涙頂戴系
正直、感動の琴線はマジで人それぞれです。

やっべ~これ超感動するじゃん! と思って作ったシナリオで卓が白けてしまうと、シナリオ作者として結構ショックがでかいです。
シナリオが一本道で盛り上がり無く終わってしまった……よりショックかもしれません。

むしろここまで言っておいてなんですが、実際にシナリオを動かす際は、身内卓でないかぎりNPCを他のキャラクターに置き換えることをおすすめします。

自探索者がNPCのシナリオ、正直ややこしくなりやすいです。
自探索者にお知り合いがいる時は特に。

他のキャラクターに置き換えられるくらい、自探索者をNPCとして一般化する。
それくらいが、クトゥルフ神話TRPGの本質である『探索を進めて事件を解決する』という行動のエッセンスとしてちょうどいいのかな~と思います。


……とはいうものの。
ちょっと無茶を言える身内卓なら、その背景部分こそを楽しむという楽しみ方もあるかもしれません。
四ヶ内も身内卓で「このメンバーじゃないとできないシナリオ」をいくつか回させていただきました。

適材適所、参加するPLが変われば楽しみ方も変わります。

この人には何が一番楽しいか』を推理しながらシナリオを調整していく、それがオリジナルシナリオを身内に回す時の一番の醍醐味なのかもしれません。

レッツシナリオメイク。楽しいぞ。