スランプ、というのも大げさですが。
ここしばらくの間、最大の趣味であるはずの創作小説を上手く書けないという状態に陥っていました。

上手く書けないというか、書いても面白くないというか、違和感があると言うか。

自分が書くのってこんなものだったっけ? と首を傾げつつ投稿サイトにULし……そういう小説って、やっぱり伸びないものですね。
しばらくの間、自分でも納得のいかない文章ばっかり生産して、首をひねっていました。

それを最近ようやく脱出できまして、ああそういうことなのか、と腑に落ちたこともあり。

自分がスランプ()の間ずっと見落としていたものが一つだけあったようでした。
それは奇しくも、TRPGのシナリオを書き始めたが故に生まれた穴だったのかもしれません。






~目次~







きちんと『キャラクターの魅力』を深めていなかった


それが、『このキャラクターにはどんな魅力があるのか?』という要素です。

自分がこの指で描き起こすこのキャラクターには、一体どんな過去があり、思いがあり、動機があって魅力になるのか
それをすっぽり見逃していたように思います。

最近書いていたのは、『ストーリー先行型』の小説。
こういう場面に、こういう展開になって、このキャラクターがこういう目に遭う」という小説ばかり書いていました。

それでも面白い方は面白いし、面白いジャンルでは面白いのです。
けれど自分が書くと面白くなかった。それはなぜか。

それは今まで自分が『キャラクター先行型』の小説を書いてきて、四ヶ内の小説を期待してくださる方も、その手の文章を求めてくださっていたからだと思っています。

自分でも無意識でしたが、今まで小説を書く際は、かなり深くキャラクターの心を練り込んでいました。
どんな過去を持つ人物なのか。何に怒り、何に嘆くのか。
それを入念に考えた上で、そのキャラクターがマッチする世界観に人物を放し飼いしてみる。
するとキャラクターが、世界観の中で勝手に動き始めてくれる

困難も災難も向こうから勝手に来てくれるものだったわけです。
作者として、自分がデウス・エクス・マキナとして用意する必要などなく、魅力ある彼らは彼らに見合う難題を勝手に引き寄せる力を持ってくれていたのです。

そりゃわざと盛り上げようとした小説が白々しくなるわけだと。
自分は彼らの魅力を活かそうとせず、自分の腕力だけで小説を押し通そうとしていたわけですね。



TRPGシナリオと小説の大きな違い


TRPGのシナリオは、基本的にメインと成るキャラクターは存在しません。
現れるNPCもあくまでもギミックの1つであると四ヶ内は捉えています。

予定とギミックが存在する一個の中に『PC』という他者の存在が現れて、初めてそれがシナリオからストーリーに変化します
だからこそ最近は、反応をくれる相手に対する『意外な展開』『意表をつく演出』ばかりが先んじて、小説という参加型ではない媒体での書き方を見失っていたのだと思います。

TRPGシナリオでは、打ちやすい球をそっと放るように。
小説では、受け取った人の心に共鳴しやすいように。

そういう風な住み分けが、四ヶ内の中でようやく区切りができた気がします。
そしてだからこそ、今後はもっと意表をつけるような品を書けるようになるかな……と、自分に対する期待値も少々上がったりしています。
何事も気づきと修行。