見よう見まねでそれっぽい断捨離ができるようになった頃、物に対する執着が前よりは少なくなりました。
が……それでも手放せなかったのですが、引っ越しを機にさよならを決めたものがあります。
うちの初代ポメラくんです。
うちの初代、ポメラシリーズでは2台めの子らしいですね。
DM20くん。
~目次~
ポメラってなぁに?
「ポメラ」は株式会社キングジムさんが販売しているデジタルメモです。
一番分かりやすくいうと、めちゃくちゃ小型のワープロです(世代的に、本当に分かりやすいのか? と最近自問します)。
カバンに入るサイズ。
カバンに入るサイズ。
ただただ文章を打てるだけの機械です。
ネットも繋げません。
それが本当に便利。
電源をつけると2秒でファイルが開き、以前書いていたのの続きから書き始めることができます。
インターネットに繋げないので、ついうっかりネットサーフィンして時間を浪費……とかもなし。
インターネットに繋げないので、ついうっかりネットサーフィンして時間を浪費……とかもなし。
形やサイズは変わってきましたが、その原則はいつまでも変わらないポメラくん。
このとにかく小回りのきく便利さはポメラ以外では際限できないものだと思います。
ちなみになんですが、最新型のDM200はとうとう無線LANを搭載し、ポメラとiPhone・Mac間でおんなじ文章を共有して打てるようになりました。
もちろんBluetoothのキーボードとしても使えます。
下手なBluetoothキーボードを買うよりはポメラを買った方が利便性は間違いなく高い。
進化したねポメラくん……。
ポメラとの出会い
うちの父は筋金入りのガジェットミーハーなのですが、「ポメラ」シリーズの1代目が相当よかったという噂を聞いて、当時大学生だった私にシリーズ2代目のこれを買ってくれました。
今でこそ日々文章を書き漁っておりますが、大学時代は実は唯一文章を書くことから離れていた時期でもあり。
買ってもらったものの、しかし使わねぇな……と思いつつ引き出しにしまっていた記憶があります。
買ってもらったものの、しかし使わねぇな……と思いつつ引き出しにしまっていた記憶があります。
転機は就職活動の頃。
当時は大学周辺にアパートぐらししており、大学とアパートを往復する生活を続けていました。
そして大学三年から四年に上がるころ……忙しさ自体は変わらなかったのですが、生活の中に”移動時間”というスキマ時間が突然現れました。
就職活動はある程度自身でスケジューリングできるので、人ごみが苦手だった私はなるべく電車が混んでいない時間帯を狙って移動していました。
で……暇を持て余す電車内で、ふとポメラの存在を思い出しました。
あれなら膝の上に乗せられるし、移動時間に何か書けるんじゃない? と。
就活でデスクワークが増えたためか、またなにか文章を書きたいという欲がちょうど再熱していたころでもありました。
履歴書を入れたカバンを膝に、そしてその上にポメラを乗せて、ポチポチと創作の文章をまた書き始めたわけです。
多分最終的にはこの初代ポメラくんで20万字は書いたんじゃないかなと思います。
スマホだと指が疲れてしまうんですが、この子のおかげでちまちまコツコツと文章を書く持久力を取り戻せました。
そんで、完全に使い倒し、とうとう電源が入らなくなった日のショックも覚えています。
「ああ~、使い切ったやで……」的な。
データは幸いUSBケーブルでPCに移すことができましたが、やっぱりポメラで書き始めたものはポメラで書き終わるのが一番ちょうどよいらしく、それらにはまだ手がつけられていません。
今見返すと5年前のデータなわけで……そういう点からもちょっとパンドラの箱みたいな気持ちはあります。
三上の初代ポメラくんと現役ポメラくん
そんな、私に文章を書く力を取り戻させてくれた初代ポメラくんですが。
ちょっと経年する間にゴムの部分がベタベタになってしまい(新シリーズでは改良された点ですね)、ああ、そろそろ……供養してあげんとなぁ……と思いました。
表に貼ってあるのは当時はまっていた靴下にゃんこのシール。
中を開くと、……これすごく言いづらいのですが、就職活動でキングジムさんの懇談会に伺った際にテプラで試し打ちさせていただいたシールが貼ってあります。
……いや、そんなこともあったな……。
本社めちゃくちゃ綺麗でした。
折りたたみキーボードはこんな感じで開く。
本当は”カチッ”とはまってキーボードが平らになるのですが、経年の末はまらなくなってしまっていました。
母音のローマ字が擦り切れているのはよく打ったキーボードの証。
この、軽すぎず重すぎず、厚すぎず薄すぎない打鍵感が、当時の三上を最高に魅了したんだと思います。
と……相当ガタが来ていたようで、写真を撮る間にもパキパキとパーツが何個か取れまして、なんだか少し泣けました(´;ω;`)
今使っているポメラはこちらの子。
現在現役で製造中のDM200くん。
DM100くんともちょっとお付き合いしたのですが、この子が一番しっくりきています。キーボードがちゃんとカタカタパチパチ鳴るのが気持ちいい。
開くとこんな感じ。
パスワードをかけているので初期画面がこんな感じになっています。
ポメラシリーズの最大の悩みどころだった電池式を取っ払い、完全に充電型として生まれ変わったポメラDM200くん。
これでようやくポメラのためにジャラジャラと充電池を控えさせる必要がなくなりました。
君は本当に優秀です。
何気なくスマホアプリもアプデが続いていて、以前より明らかにQR読み込み速度がアップしている。
本当に優秀。
初代ポメラくんと現役ポメラくんでツーショット。
初代ポメラくんのレザーの触り心地はきっと忘れないだろうなぁ。
三上はデジタルガジェットを使い始める時いつも挨拶してしまうのですが、お別れするポメラくんには電源がもう入らないことを承知で、”今までありがとう。幸せになってね。”とだけ打ち込みました。
……幸せになってねってなんなんやろうなぁ。
廃品行きでしかないのは分かっているんですが、この世界のどこかでこの子が幸せになってくれたらいいなぁと、結構本気で思うのです。
初代ポメラくん、今までありがとうございました。
私の手を離れた先のどこかで幸せになってください。
現代ポメラくん、いつもありがとう。
これからも私をよろしくお願いします。
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