CoC向けオリジナルシナリオ
「X'の埋葬」(えっくすだっしゅのまいそう) 


気がづいたら土砂降りの深夜の山中でショベル片手に突っ立っており、目の前の穴にはブルーシートがかけてあって、横にいる友人が「早く埋めないと」とそそのかしてくるシナリオです。

スッと終わるソロクローズドです。
死ぬときはスッと死にます。




~目次~





シナリオ情報


想定人数:1人(ソロシナリオ)
推奨技能:目星
振らなくもないが無くてもいい:聞き耳、医学、心理学
目安時間:ボイセで0.5~1時間
傾向  :クローズド、ロストあり、ルートによっては後遺症あり。
備考  :成人探索者推奨。またシナリオ中に友人であるNPCが2名登場するので、その設定に違和感のない探索者が望ましい。

~このシナリオの読み方~
「※」→KP情報、シナリオ背景など。
「SANc」→SAN値チェック。成功/失敗という風に値を書いています。
「---」→ここで挟まれた部分はそのまま共有メモとかに貼れるように書いたつもりです。

 次からシナリオ内容。


真相


 登場人物は友人A、友人B、探索者。
 このシナリオでPLは、「自分のことを探索者だと思い込んでいる友人A」を操作する。

◆背景
 親しい3人が集まっての飲み会で、友人Bが何かの拍子に探索者を殴り、探索者が気絶。
 密かに恨みを抱いた友人Bは、酒の勢いもあって探索者をここぞとばかりに痛めつけてしまう。
 席を外していた友人Aは、探索者が半死状態になった場面に鉢合わせ。
 発見されたショックと発見してしまったショックで友人A・B両者発狂。

 友人B(加害者)は探索者が死んだと思い込み、「遺体をどこかに埋めなければならない」という強迫観念に駆られる。さらに友人Aを巻き込むことで共犯扱いにし、探索者殺害を隠蔽しようとした。
 親しかった友人A(目撃者)は発狂により、自分が探索者自身であると思い込む。
 なので、このシナリオでPLが探索者と思って動かしているのは、実際は自分を探索者だと思い込んでいる友人Aである。

 友人Bに脅迫されて穴を掘った友人Aだが、ショックが重なることで不定の狂気:健忘症を発症。
 穴に探索者(を包んだブルーシート)を入れ、いざ土をかけるという段階で直近の出来事を忘れてしまう。ここがシナリオのスタート。

 探索者が生還するには、友人Aが穴を埋めないor埋めたあとに掘り返すという行動が必要である。
 埋めたあとに掘り返した場合、戦闘は回避できるが、一瞬でも窒息状態になってしまった探索者は後遺症を得る可能性がある。


NPC


◆友人A(視点主)
 発狂により自分のことを探索者だと思い込んでいる。POWは10。探索者とはそこそこ親しい間柄。
 実際の職業は医者なので、自身を取り戻したあとであれば探索者に救命措置を施せる。趣味は園芸。
 INTとEDUが高いため、自分は探索者であると思い込んだことにより、探索者が所持している技能を模倣できる状態にある。あまりにも専門的な技能であった場合マイナス補正をかけてもよい。

・能力値…探索者と同じ。自身を取り戻したあとも錯乱が抜けきっておらず、探索者を無意識に模倣した状態が続くため。
・技能値…基本的には探索者と同じ。自身を取り戻したあとであれば【医学85%】、【杖70%】が追加される。
  剣先ショベルは杖技能で使用可能。ダメージは1d4+db。


◆友人B
 探索者と親しい友人だったが、あらゆる要素が少しずつ積み重なり、水面下で恨みを抱いていた。
 飲み会であることをきっかけに探索者を殴りつけてしまい、タガが外れてしまう。
 友人Aに探索者を埋めさせることで共犯者として抱き込み、黙らせる思惑。

・能力値…DEX:10、耐久値:10 その他の能力値は探索者よりも低い値で決める
・技能値…ナイフ60%(ダメージ1d4)


ギミック


シナリオ中、2つのギミックを扱う。

◆ギミック【自己精神分析】
 シナリオ中、【自己精神分析】という特殊なロールを扱う。基本目標値は50%。
 ※友人AのPOW×5にあたる。

 GMはセッション開始から5分のカウントダウンを繰り返す。
 探索者(実際は友人A)は5分経過ごとに、または各チェックポイントを調べるごとに【自己精神分析】ロールを行う。チェックポイントによってはこのロールにプラス補正がされる。
 成功した場合以下の描写を行う。
 【自己精神分析】に4回成功すると狂気が解け、現実と自身の本性を思い出す。
 【自己精神分析】に失敗すると後述【脅迫ポイント】が加算される。

・1回めの描写
 剣先ショベルを友人Bから押し付けられたことを思い出す。

・2回めの描写
 自分の全身の返り血が幻覚だったことに気づく。
 返り血に気付いていなかった場合、ここまで自分が運転してやってきたことを思い出す。

・3回めの描写
 自分は"探索者"が暴行されているのを客観的に目撃した記憶がある。

・4回めの描写
 すべてに気づく。自分は"探索者"ではない、友人Aであると。SANc2/1d4+1。


◆ギミック『脅迫ポイント』
 【自己精神分析】に失敗すると、早く穴を埋めなければという強迫観念に駆られる。この際【脅迫ポイント】が1ポイント加算される。初期値は0。
 【脅迫ポイント】が3の倍数になる(3ポイント増える)たびに、衝動に耐えられず一度穴を埋めるロールをしてしまう。【自己精神分析】にファンブルした場合、ポイント関係なく1度穴を埋めるロールをする。
 穴を埋めるにはSTR×5またはDEX×5に成功が必要。失敗した場合は上手く土をかけられない。
 5回土をかけるのに成功してしまうと、探索者(本体)が死亡エンドとなる(ED0)。





本編


◆シナリオ準備
 GMはシナリオ開始前に、NPC2名の名前をPLから提供してもらう。
 性別は問わず、ある程度親しい友人である旨は伝えてよい。
 提供してもらった名前を友人A、友人Bに振り分けてセッションを開始する。
 NPCの口調は性別に合わせて調整してよい。


◆導入
 滝の中にいるような、怒涛の水音でふと我に返る。
 自分は全身衣服ごと水浸しになっており、四肢が冷えていた。泥水が沁みた靴が気持ち悪い。
 わずかにかじかむ両手が握っているのは、これまた冷たく濡れきった剣先ショベルだ。
 周囲を見渡せば、そこは夜の林だった。足元に傾斜があることから、山というほうが適切だろう。木々を隅々まで濡らし尽くすように豪雨が降り注いでいる。

 ――あなたの前には、幅二メートルに及びそうな大きな穴がある。
 土を掘ってできた穴だ。降り注ぐ豪雨にも崩れないほどしっかりと掘り進めてある。
 そしてあなたが握るショベルの先は泥まみれである。
 目の前の状況から起きたことを想像するのはたやすいが、あなた自身にはここに至るまでの記憶がなかった。
 気づけばここにいて、ショベルを握っていたのだ。
 穴の中には……ブルーシートがかけられている。

「どうしたの?」
 ふと横から声をかけられる。そちらを見れば、レインコートを着た友人Bが焦燥を浮かべて自分を見ている。
「ねぇ、早く埋めないと」
 友人Bは焦った声で促した。

 一体――何が起きている? SANc1/1d3

 ここから探索開始。

---
【現在の状況】
 豪雨の降る夜の山。LEDランタンが近くの木にかけており、周辺だけは照らされている。
 目の前には大きな穴があり、近くにはいくつか荷物が散らばっている。その傍らに友人が立っている。
 手に握っているのは見覚えのない剣先ショベルだ。周囲を念入りに調べることも可能である。
---
※この「傍らにいる友人」は友人Bである(探索者を殴った方)。

 埋めることを拒絶しすぎた場合、友人Bがナイフを向けてくる。さらに逆らおうとした場合は戦闘開始、終了時に発狂が解けた扱いになる。
 →戦闘勝利でED1、戦闘敗北でED2


◆周囲
 雨と暗闇で視界が悪く、自分たち以外に人影はない。近くの木にLEDランタンがかけてある。
 時計を確認すると深夜。
 雨が激しすぎて、すでに足跡などは曖昧になっている。
※ここで探索者がスマホを見た場合、その機体は自分のものでなく友人Aのものだと分かる。

【目星】
 →離れたところに自動車が見える。おそらくあれでここまで来たのだろう。

自動車を見たら【アイデア+20】
 →あの自動車は友人Aのものであると思う。
  └アイデア後、☆【自己精神分析+20】ロール


◆自動車(周囲への目星で発見できる)
 友人Aの自動車。鍵がかかっている。
 自身のポケットを探ると鍵がある。友人Bに聞いた場合「あなたが持ってるでしょ?」と指摘してくれる。

自動車内に【目星】or【アイデア】
 →助手席、後部座席にのみ血痕があるが、運転席は汚れがなく綺麗。
  クリティカルすると、後部座席はそこにいた人の怪我による血だと分かる。しかし助手席は擦れて付いたような血痕である。

※友人Aが運転し、友人Bが助手席に座り、探索者が後部座席に寝かされていた。

 ☆自動車内の探索を終えたら【自己精神分析+20】ロール


◆大きな穴
 幅二メートル、深さ一メートルに及ぶ穴。
 ブルーシートがかけてあり、強い雨がぼつぼつと打ちつけている。

◇ブルーシートの下を確認する
 めくると、ぴくりとも動かなくなった友人Aがいる。全身傷だらけであり、傷口だけでなく鼻、口からも大量に出血している。SANc1/1d4

 ※この光景は幻覚であり、実際に傷だらけで気絶しているのは探索者である。

目星
 →僅かに胸が上下している。瀕死状態だが生きていると分かる。
医学
 →全身をくまなく何度も殴打されたことによる傷。放置すれば埋めずとも死ぬことが分かる。
聞き耳→わずかにアルコール臭い。
【アイデア-20】→あなたはこの傷に覚えがない、少なくとも自分が相手につけた傷ではないと思う。

  ☆4つのうち、1つでも技能で情報を得たら【自己精神分析+20】

 ※穴から出そうとした場合、友人Bが血相を変えて止める。
  それにも逆らおうとするとナイフを向けてきて、戻さなければ刺すと脅迫する。
  さらに逆らおうとした場合は戦闘開始、終了時に発狂が解けた扱いとなる。
 →戦闘勝利でED1、戦闘敗北でED2


◆荷物
 地面に小さなシートが敷いてあり、上にショベル、軍手、懐中電灯、ロープなどが置いてある。
 懐中電灯は使用可能。

【目星】→軍手の内側に友人Bのイニシャルが書いてある。

目星の後に【アイデア】→これらの持ち物は友人Bが用意したものなのでは?と思う。


◆友人(B)
 せわしなく両手をすり合わせ、恐慌状態だと分かる。
 レインコートを身につけているが、慌ててきたのか前の合わせは開いている。

◇会話する
・現状について聞く、記憶が無いらしいと説明
 「は? 何度も言わせないでよ」「何とぼけてるの?」
・どうして埋めなければいけないのか?
 「埋めないと捕まっちゃうからだよ」
・穴の中の人物を傷つけたのは誰か?
 「なんでそんなこと聞くの? 全部知ってるじゃない。説明させないで」
・穴の中の人物は誰?/○○(友人A)?
 「何言ってるの……?」とひたすら戸惑う。
・穴の中の人物は生きているのでは?
 「そんなわけない。何を言っている?」
・穴を埋めずに帰ってもいいか?
 「あなたが協力してくれると言ったんだよ」
・自動車について話す
 「何とぼけてるの? あなたが運転してきたんでしょ」

友人Bに「自分は誰か?/自分の名前は何か?」など自身を確認する質問
 →【自己精神分析】の成功が2回以下「(探索者の名前)だよ? どうしたの?」
 →【自己精神分析】の成功が3回以上「(友人Aの名前)だよ? どうしたの?」
  └☆回答のあとに【自己精神分析+45】

※友人Bは「自分が傷害の実行犯であること」は絶対に口にしない。「友人と探索者の名前」も質問される以外には絶対言わない。
 突っ込んで聞いても「埋めないと捕まっちゃうよ」と返すだけ。発狂状態なので詳しく聞けば聞くほど支離滅裂になる。
 「あんたがやったんでしょ」など、探索者が実行犯であるような物言いもしない(自分が手にかけた自覚があるので)。

◇友人に目星
 レインコートの下、パーカーに血がついているが、本人は怪我していないことが分かる。
 └☆成功したら【自己精神分析+10】ロール

◇友人に心理学(オープンでOK)
 こちらに罪をなすりつけてくるような企みを感じる。
 └☆成功したら【自己精神分析+30】


◆自分の身なり
 レインコートを着ている。レインコートの下は返り血でどこもかしこも真っ赤である。SANc1/1d2。

 ※実際は返り血に濡れていない。幻覚である。

【アイデア-20】→普段こういう服はあまり着ないな、と感じる。
 └☆成功したら【自己精神分析+20】


クライマックス/エンディング分岐


ざっくり分岐は以下の通り。
  • 穴を最後まで埋める
  • 【自己精神分析】で自身を取り戻す


◆穴を最後まで埋めた
 友人はほっとしたような顔になり、「頼ってごめんね、早く帰ろう」と促す。
 二人で車に戻り、そのまま自宅へ帰っていくことだろう。
 →ED0


◆自身を取り戻した
 あなたはすべての状況を把握する。あなたは"探索者"ではなく"友人A"である。
 すべてを思い出す。今日の夜、探索者と友人Bとともに飲み会をしたこと。
 その中で自分が席を外していた間に友人Bが探索者に暴行を加え、瀕死状態にしたこと。
 自分はその時錯乱してしまい、友人Bが自分も巻き込むために、自分に車を出させてここに穴を掘らせたことを。

 ※ここから先、PLが操作しているキャラクターを"視点主"と表記する。
  GMはPLに対し、今操作しているのは探索者ではなく友人A(視点主)であることをはっきり伝える。

 ここから先、視点主が元々持っている技能【医学85%】と【杖70%】が使用できるようになる。

 視点主が自身を取り戻すと、痺れを切らした友人Bが「ねぇ、早くしてよ」と促してくる。視点主の対応でエンディングが分岐する。
 分岐のベースは、
  • 友人Bに従う
  • 友人Bを言いくるめる
  • 友人Bに抵抗する
 視点主の反応に合わせて一番近いエンディングへと続ける。


◇友人Bに従う
 友人Bはとにかく穴を埋めるように促す。積極的に埋めるという宣言があった場合、ロール無しで十分埋めることができる。
 それを見届けると友人Bは安堵した表情になり、「急かしてごめんね。先に車のところで待っとく」と傍らの荷物をまとめ、穴の側を離れていく。
 友人Bが離れたタイミングで穴を掘り返せば、探索者を蘇生するチャンスがある
 穴を掘り返して視点主が【医学】に成功すれば探索者は蘇生。失敗すればそのまま死亡して探索者ロスト
 穴を掘り返した後、探索者を抱えて車に戻ると友人Bが激昂し、戦闘ラウンド開始となる。ステータスはNPC頁を参照。
 →戦闘勝利でED1、戦闘敗北でED2

 一旦探索者をここに放置し、あとで回収するのがもっとも穏便なルートである。
 →ED4


◇友人Bを言いくるめる
 友人Bを言いくるめる場合、【精神分析】または【交渉技能-20】を求める。探索者の技能値でロールしてよい。

【精神分析】or【交渉技能-20】に成功
 友人Bは嗚咽しながらその場に膝をつき、茫然自失となる。
 探索者は視点主が【医学】に成功すればすぐに意識を取り戻す。失敗した場合意識は取り戻さないが、病院などできちんと処置を受ければ間に合うだろうと判断できる。この場合探索者は病院でエンディングを迎える。
 →友人Bを殺害した場合ED1、友人Bと探索者とともに帰った場合ED3。

【精神分析】or【交渉技能-20】に失敗
 「じゃあ……私があなたも埋めてあげる」と友人Bがナイフを取り出し、戦闘開始。ステータスはNPC頁を参照。
 →戦闘勝利でED1、戦闘敗北でED2


◇友人Bに抵抗する
 お前がやったのではないか、自分に罪をなすりつける気かなど強い口調で問い詰めたり、攻撃すると友人Bがナイフを取り出す。
 「じゃあ……私があなたも埋めてあげる」
 戦闘開始。ステータスはNPC頁を参照。
 →戦闘勝利でED1、戦闘敗北でED2


ED0:私の埋葬


◆ED0/穴を最後まで埋めた
 次の日、あなた――『友人A』は目を覚まし、いつもどおりの朝を迎える。
 朝の身支度をする中、あなたはこのようなニュースを目にするだろう。
「昨晩より、○○市在住の(探索者の名前)さんが行方不明となっています。今朝から警察が捜査に取り掛かっていますが――」
 友人が行方不明になった、そんなニュースにあなたは無条件に青ざめるだろう。
 何があったか思い出すこともないままに。

 ED『私の埋葬』。探索者ロスト


ED1:空の墓穴/友の埋葬


◆ED1/友人Bとの戦闘に勝利or友人Bを殺害
※戦闘に勝利した時、友人Bを殺害するか気絶させるかで最後の描写が変わる。

 戦闘終了時に視点主があらためて穴の中の探索者を見ると、手当てを施せば意識を取り戻せるだろうと分かる。
 視点主が【医学】に成功すればすぐに意識を取り戻す。失敗した場合探索者はこの場では意識を取り戻さず、病院で目を覚ますことになる。

 視点主が探索者を目覚めさせたら、PLは今度こそ探索者を操作することになる。
 以降視点主であった友人AはGMが操作する。

 視点・操作キャラが変わったことを明確にするために、GMは仕切り直しとして以下の描写を行う。

☆探索者が目覚めたあとの描写
 ――(探索者の名前)、あなたは友人たちとともに家で酒を飲んでいた。
 しかし何が悪かったのか、会話の途中で友人Bが激昂し、あなたは殴りつけられ――気がついたらこの穴の中に寝かされていたのだ。
 全身は泥に濡れて冷え切っており、身体中傷だらけで痛む。
 穴の上から友人Aが心配そうにあなたを見て、手を差し伸べてくる。
「大丈夫か? 早く帰ろう」
 事情を聞いても友人Aは曖昧にはぐらかすばかりである。

※友人Bが死亡している場合、友人Aは遺体を近くの茂みに隠している。


▽友人Bが生きている
 あなたが友人Aに支えられながら車に戻ると、後部座席には友人Bが寝かされていた。両腕両足をロープで縛られ、猿ぐつわまで噛まされた状態で気絶している。
 友人Bに聞くと顔を険しくし、「なんでもない」と言って流される。
 あなたたち三人を乗せて車は山を降りていった。

 数日後、医者である友人Aにも手を借りながら治療し、探索者は日常生活を再開できた。
 友人Aはあれ以来なにかと自分を気にかけてくれるようになった。
 そういえば最近、友人Bと会わないような気がするが……。
 不思議に思いながらもあなたは日常に忙殺され、自然とその友人を忘れていくだろう。

 ED『空の墓穴』。探索者生還。

※友人Aが弁護士などを頼り、友人Bと探索者が二度と会わないよう取り計らった。
※シナリオ中実際に操作していたのは友人Aであるため、探索者にはシナリオ中のSAN値減少も成長も反映されない。
 が、登場人物全員が生還した良いルートなので、ボーナスでSAN値が1d3回復する。


▽友人Bが死んでいる
 友人Aはあなたに車のキーを渡す。
「ごめん、そこらへんの荷物を片付けてから戻るから。先に車に乗っててくれるかな」
 あなたが車で待っていると、少し遅れて友人Aは戻ってきた。服が先程より泥に濡れている気がする。
 何を聞いても友人Aははぐらかし、暖房を効かせた自動車を転がして麓へと降りていった。

 数日後、医者である友人Aにも手を借りながら治療し、探索者は日常生活を再開できた。
 そんな中、あるニュースがあなたの耳に入ってくる。
「数日前から○○市在住の(友人Bの名前)さんが行方不明となっており、警察が今朝から捜索を開始しました……」
 確かに最近会っていない友人に気づき、あなたは何か引っかかるものを感じるかもしれない。
 不思議に思いながらもあなたは日常に忙殺され、自然とその友人を忘れていくだろう。

 友人Aは、その人のことを一生忘れはしないけれど。

 ED『友の埋葬』。探索者生還。

※シナリオ中実際に操作していたのは友人Aであるため、探索者にはシナリオ中のSAN値減少も成長も反映されない。
 SAN値報酬もなし。





ED2:我らの埋葬


◆ED2/友人Bとの戦闘に敗北
 あなたは致命的な一撃を受け、地面に倒れ込む。泥の苦味が口の中に広がった。
 もうぴくりとも動けないあなたの横で、友人Bがショベルを拾い上げる。
「ああ、埋めないと……二人纏めて、埋めないと……」
 ざくり。ショベルが土を切る音が耳にこびりついた。

 数日後、世間があるニュースでちょっとした騒ぎになる。
 それは○○市在住の(探索者の名前)と(友人Aの名前)が行方不明になったという報道だった。

 ――けれどそのニュースを探索者が知ることはないだろう。
 死人には口も無ければ耳もない。ましてやあなた達は、何の音も届かない地中深くにいるのだから。

 ED『我らの埋葬』。探索者ロスト。


ED3:空の墓穴


◆ED3/3人で山を降りる
 視点主が探索者を目覚めさせたら、PLは今度こそ探索者を操作することになる。
 以降視点主であった友人AはGMが操作する。

 視点・操作キャラが変わったことを明確にするために、GMは仕切り直しとして以下の描写を行う。

☆探索者が目覚めたあとの描写/ver山中
 ――(探索者の名前)、あなたは友人たちとともに家で酒を飲んでいた。
 しかし何が悪かったのか、会話の途中で友人Bが激昂し、あなたは殴りつけられ――気がついたらこの穴の中に寝かされていたのだ。
 全身は泥に濡れて冷え切っており、身体中傷だらけで痛む。
 穴の上から友人Aが心配そうにあなたを見て、手を差し伸べてくる。
「大丈夫か? 早く帰ろう」
 事情を聞いても友人Aは曖昧にはぐらかすばかりである。

 あなたが友人Aに支えられながら車に戻ると、後部座席には友人Bが座っていた。茫然自失としており、声をかけても反応がない。
 友人Aに聞くと顔を険しくし、「なんでもない」と言って流される。
 あなたたち三人を乗せて車は山を降りていった。

 数日後、医者である友人Aにも手を借りながら治療し、探索者は日常生活を再開できた。
 友人Aはあれ以来なにかと自分を気にかけてくれるようになった。
 そういえば最近、友人Bと会わないような気がするが……。
 不思議に思いながらもあなたは日常に忙殺され、自然とその友人を忘れていくだろう。

 ED『空の墓穴』。探索者生還。


☆探索者が目覚めたあとの描写/ver病院
 ――(探索者の名前)、あなたは友人たちとともに家で酒を飲んでいた。
 しかし何が悪かったのか、会話の途中で友人Bが激昂し、あなたは殴りつけられ――気がついたら病院で目が覚めた。
 全身は包帯まみれで痛みが酷い。傍らには点滴がある。
 ベッドの脇には友人Aがおり、意識を取り戻したあなたに気付いて心配そうに声をかけてきた。
「大丈夫か?」
 事情を聞いても友人Aは曖昧にはぐらかすばかりである。

 数日後、医者である友人Aにも手を借りながら治療し、探索者は日常生活を再開できた。
 友人Aはあれ以来なにかと自分を気にかけてくれるようになった。
 そういえば最近、友人Bと会わないような気がするが……。
 不思議に思いながらもあなたは日常に忙殺され、自然とその友人を忘れていくだろう。

 ED『空の墓穴』。探索者生還。

※友人Aが弁護士などを頼り、友人Bと探索者が二度と会わないよう取り計らった。
※シナリオ中実際に操作していたのは友人Aであるため、探索者にはシナリオ中のSAN値減少も成長も反映されない。
 が、登場人物全員が生還した良いルートなので、ボーナスでSAN値が1d3回復する。


ED4:私の埋葬'


◆ED4/探索者を一旦山の中に置き、あとで回収に来た
 視点主が迎えに来たら、PLは今度こそ探索者を操作することになる。
 以降視点主であった友人AはGMが操作する。

 視点・操作キャラが変わったことを明確にするために、GMは仕切り直しとして以下の描写を行う。

☆探索者が目覚めたあとの描写/ver山中
 ――(探索者の名前)、あなたは友人たちとともに家で酒を飲んでいた。
 しかし何が悪かったのか、会話の途中で友人Bが激昂し、あなたは殴りつけられ――気がついたらこの穴の中に寝かされていたのだ。
 全身は泥にまみれて冷え切っており、身体中傷だらけで痛む。
 穴の上から友人Aが心配そうにあなたを見て、手を差し伸べてくる。
「大丈夫か? 早く帰ろう」
 事情を聞いても友人Aは曖昧にはぐらかすばかりである。

 ここで探索者にCON×5を要求。失敗すると探索者は朦朧とし、再び意識を失ってしまう。
 気絶した場合以下の車中描写はスキップ。 

 あなたが友人Aに支えられながら車に戻ると、友人Aは冷え切ったあなたのために暖房を効かせてくれた。
 あなたたち2人を乗せ、車は山を降りていく。
 友人Aは青い顔で、あなたをそのまま救急窓口へと送るだろう。

 数日後、医者である友人Aにも手を借りながら治療し、探索者は日常生活を再開できた。
 友人Aはあれ以来なにかと自分を気にかけてくれるようになった。
 そういえば最近、友人Bと会わないような気がするが……。
 不思議に思いながらもあなたは日常に忙殺され、自然とその友人を忘れていくだろう。

 ED『私の埋葬'(-ダッシュ)』。探索者生還、場合によっては後遺症。

※シナリオ中実際に操作していたのは友人Aであるため、探索者にはシナリオ中のSAN値減少も成長も反映されない。
 が、登場人物全員が生還した良いルートなので、ボーナスでSAN値が1d3回復する。

 探索者が最後のCON×5に失敗した場合、探索者の身体は一時的に埋められたため、身体に深刻なダメージを負っている。
 1d4を振り、以下の通りに能力値がマイナスされる。
・1…STR-1
・2…CON-1
・3…DEX-1
・4…APP-1


制作背景


「気が付いたら土砂降りの夜の山中にスコップを持って突っ立っており、知り合いに「早く埋めないと」と急かされて下を見たら穴の中にブルーシートが落ちているシナリオ行きてぇ」
 友人のこの呟きがすべてです。

 正直友人アガタ氏がやりてぇと呟いていたことをしこたま突っ込んだだけなので著作権はアガタ氏にあるのではないかなとも思います。いつもありがとう。
 疑心暗鬼というか叙述トリックというか、作りながらひたすら◯◯◯◯◯殺し……と呟いていました。お家芸みたいなものなのかもしれません。

 タイトルの「X'」は「探索者に類似しているもの」の意です。
 DBHのおかげでした。