メンヘラライターの四ヶ内(しがない)と申します。

 学生の頃からニコニコ動画を嗜んでおりまして、受験のお供もボカロ音楽でした。



 ボカロ。
 そうボーカロイド。正しくはVOCALOID。
 

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  (引用:初音ミク V4X
 これですね。

 「初音ミク」という名前を聞けば「あ、あれか…」と若干の心当たりもしくは未知なるオタク臭に身構える方が多いのではないでしょうか。

 私の作業用BGMの99.8%はボカロ曲です。
 というか意識しないと人間の曲なんて聴かないです。理由は後述。

 今聴いてるのはこれです。

 ニコニコ超パーティーの予習も兼ねて最近の有名所を。



 みなさんも知らず知らずのうちに実はボカロ曲を耳にしてると思います。
 
 一時期トヨタのCMにも使われてたって知ってましたか?

 実はこれもボカロ曲。


 というわけで人間の曲<<<<<<<<<<VOCALOIDのバランスで構成されてきた私の趣味音楽なのですが、ついこの間「VOCALOIDって何が良いの?」と聴かれて、ふときちんと考えてみました。


 で、考えうる限り「ニコ厨ボカロ廃はこれが理由でボカロ聴いてんじゃないかな?」ってのを挙げました。

 VOCALOIDの存在が謎、なんで流行ってる界隈があるのか不明、という方に「へーそうなんだー」というのが伝われば嬉しいです。

 ニコニコ動画のタグなども具体例に出して挙げていきますので、興味のある方はサイトに飛んでみていただければ。
 ボカロ、良いよ。







そもそも論

 VOCALOIDとはソフトウェアの名前です。


VOCALOID(ボーカロイド)とは、ヤマハ株式会社が開発した、メロディー(音階)と歌詞を入力するだけで、人間の声を元にした歌声を合成することができる技術およびその応用ソフトウェアのことです。歌声の合成には、実際の歌手の声から抽出した歌声のデータを使います。歌声データには「初音ミク」「がくっぽいど」等のさまざまな「VOCALOIDの歌声(ライブラリ)」があります。




 ……なんか分かりづらくね? と常々思うんですけど。

 要は人間の歌声が出るパソコンのソフトウェアです。

 パソコンでの楽曲制作といえばDTM(デスクトップミュージック)ソフトウェアがありますが、あれらはピアノだのギターだのエレクトリックだの様々な音が出せます。

 「DTMにも歌声入ってるじゃん?」と思われた方もいるかもしれませんが、DTMに入っているのはコーラスです。
 アーーとかオーーーーとか。


 VOCALOIDが違うのは、「人間の声に歌詞を歌わせられること」
 そして「人間の歌声」しか出せないこと

 実はVOCALOIDのソフトウェアは、歌声は歌わせられてもインストゥルメンタルは作れないんです。

 なのでボカロソフトだけではアカペラ以外の作曲はできません
 もしくはカラオケに合わせるくらい。

 「えっそれだけ……?」と若干拍子抜けした方も居るかもしれませんが、VOCALOIDにオリジナル曲を歌わせようとしたら別でインストゥルメンタルを作る必要があります。

 知らない人はさらにびっくりするかもしれませんが、ボカロの業界にもMIX担当という方がいます。
 ボカロの声は人間の歌手が歌うのと同じようにインストとMIXするんです

 しかもボカロってめちゃくちゃ使うのが難しいです。
 初期のボカロは死ぬほど音痴でした。

 はっ? てなりません?
 「機械が音痴なの???」みたいな。


 音痴でした
 デフォルトで半音キー下げしないといけないくらい音痴でした。


 しかも所詮は機械なので、大抵はベタ打ち(なんの調整もなくただ音階に歌詞を打ち込むこと)すると何言ってるか分かりません
 (最近は進化して、ベタ打ちでもかなり綺麗に聞こえるものが増えてきたんですけどね)


 VOCALOIDをまとめるとこうです。
  •  人間の歌声しか出せないDTMソフトウェア
  •  インストゥルメンタルは別途必要
  •  使うのが超難しい(音痴)


 前置きが長くなりつつありますが、後々必要な話でもありますのでぺろっと書いておきました。

 ここまで読んで拍子抜けした方は、↓を読んでいくごとに「あぁ、なるほどな~!!」と拍子抜けをリカバーしていく(予定です)ので、ぜひボカロの未知なる世界に理解を深めていってください。





無料で聴ける


 「そんな理由じゃねーよ!!!」「もっと高尚なもんだよ!!!!!!」とボカロ廃の方からは石を投げられるかもしれません。

 ただ、ボカロの門戸が異常に広い理由はここです。

 ボカロの曲は9割が合法で無料に聴けるんです。

 だってニコニコ動画、無料動画サイトだもん

 今でこそyoutubeでもVOCALOIDは人気ですが、昔はみんなニコ動で弾幕とかコメント職人歌詞職人楽しみながら聴いてたんだよ



 冒頭で四ヶ内が述べた「意識しないと人間の曲なんか聴かない」の理由はこれです。
 だって、人間の曲ってお金かかるじゃん



 わたしがニコニコ動画を見始めた頃は、ipodがあってもツタヤから借りてきたCDをインストールして曲を全部放り込んで聴くっていうのが割とメジャーでした。

 つまり1回、CDにお金を払わなきゃいけない。
 友達に借りるとしても、友達はそのCDを買っている必要がある。
 しかもCDを一旦クッションに挟む必要がある。

 その点ニコニコ動画は、ブラウザでサイト開くだけです。
 ipodに入れるにしても、CDいらないし。

 無料で聴ける上にCDみたいな手間がかからないんだから、当時の金無し学生が飛びつく音楽にはもってこいだったわけです。

 現在ニコニコ動画に投稿されたVOCALOIDの総数って、ここいわく40万曲以上らしいです(#31:06に飛んでね)。
 こんだけ曲あったらニコニコ動画で充分じゃない???







アーティストが好き


 「EGOIST」「supercell」ご存知の方いらっしゃるでしょうか。
 ノイタミナ(フジテレビ系列のアニメ枠)好きな人なら「名前のない怪物 」とかぴんとくる人多いハズ。
 あと「君の知らない物語 」とか。

 凛として時雨がOPを作ったアニメのED曲をEGOISTが手がけたりとかよくしてるのですが、
 SupercellコンポーザーそしてEGOISTプロデューサーのryoさんもVOCALOIDが発掘したアーティストです。

 あと米津玄師さんもボカロPです。
 どんな方かというと第57回日本レコード大賞で優秀アルバム賞受賞してるような方です。

 両者ともメジャーデビューしてガンガン活動されています。他にもメジャーデビューされたボカロP(VOCALOIDを用いて作曲したりする人)は結構います。
 このお二方はニコ動界隈では打ったらホームランみたいな大物打者だったわけですが、この二人の才能を掘り起こしたのがニコニコ動画、そしてVOCALOIDだったわけです。

 つまりVOCALOIDって、まだ世に出てない原石どころか岩状態のアーティストをごりごり掘り出してくれるんですよ。

 だからボカロって、「有名じゃないけどいい曲」が平然と転がってるんです
 メジャーなところだと #○○名曲リンク (←これはGUMI名曲リンクに飛びます)とか。

 あと若干ニッチに行くと #VOCALOID幻想狂気曲リンク 。
 病んだ曲・ダークな曲・電波な曲の宝庫です
 ぶっ飛んでる分、「これくらいヤバイのが聴きたかったんだ!!」みたいな人たちにはもう中毒的音楽になってます。



 つまるところVOCALOIDって、大衆が待ってた王道曲」から「自分の性癖に最高にあった曲」まで死ぬほど転がってます
 VOCALOIDを聴いてれば、大抵「この人が好き」というアーティストに出会えるわけです。
 だって40万曲も無料で聴けるんだから



ストーリーが好き

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 VOCALOIDはソフトウェアであると同時にキャラクターです。
 
 「初音ミク」とか「鏡音リン」「鏡音レン」とか、「GUMI」とか。

 あとかGACKT氏の声をモデルにしたVOCALOIDの「がくっぽいど」とか。
 (ややこしいんですが、がくっぽいどはソフトウェア名でキャラクター名は「神威がくぽ」です。ややこしい)



 彼らは二次元の姿を持ったキャラクターです。
 なのでどうしても、二次元を好むいわゆる「オタク層」の人々に強く興味をもたれます


 オタクと言えば妄想。それすなわちストーリー


 ボカロの曲は、三次元の人間では表現しきれないような、まるで一曲そのものがアニメかドラマのような深いストーリーを持っているものがあります。


 例えばこちら、物語系ボカロ曲の先駆けである「悪ノ娘&「悪ノ召使




 悪ノ娘がメイン曲、悪ノ召使がアンサーソング的な立ち位置になっています。

 こちらはボーカロイドのキャラクター「鏡音リン」と「鏡音レン」がそれぞれ「王女」「王女の召使」であるという設定のストーリーによって物語が作られています。

 「鏡音リン」「鏡音レン」が双子であるからこそのどんでん返しが、2曲通して聴くことで判明するのですが……興味をもたれた方はぜひお聴きになってみてください。



 またこちらもバッドエンド系ストーリー筆頭「Bad ∞ End ∞ Night」。



 こちらはほとんどのボーカロイドを登場させ、それぞれに「村の娘」「館の主人」「執事」「お嬢様」など、まるで西洋のおとぎ話のような役を与えてのストーリーが展開されています。

 このように、ボカロ曲が展開する「物語」や「世界観」に惹かれる方もいます。

 三次元ではなかなか難しい、「三次元では安っぽくなってしまう・極端にアニメチックなストーリー」を、ボカロのキャラたちは見事に演じきってくれるのです。

 余談ですが、実を言うとVOCALOIDのそれぞれのキャラクターには、名前・見た目・そして身長や得意な曲のジャンルなど、基本的なステータス以外には設定が設けられていません。
 話し方やそれぞれのキャラクターの関係性・嗜好は、実はボカロファン達によって作り上げられた公認の非公式なのです。
 (ボカロの制作会社側は、VOCALOIDのキャラクター達の二次創作物の制作・公開を基本的に許可しています)

 知ってる人なら知ってるかもしれませんが、「初音ミクはネギが好き」とか、「KAITOはアイスに目がない」とか、アレも全部公式設定ではないんです。
 ファンが育み、ファンの中で広がっていった、ファンたちによって成り立っている彼らの性格なのです。








技術の高さが好き


 四ヶ内がボカロを聴く動機は実はこれが大きかったりします。

 冒頭でVOCALOIDは非常に扱いが難しいソフトウェアだと述べました。
 例えていうなら、弦楽器や管楽器のようなものです。

 ヴァイオリンは弦に弓を当てればまぁ音は出るけれど、美しい音色で一曲を奏でるにはそれなりの練習が必要ですよね?
 気持ち悪いくらいの超絶技巧曲を引けるようになると、もはや人間業ではない、職人技・神業と言われるようになるわけです。

 VOCALOIDも同じようなところがあります。

 最初に言ったように、VOCALOIDは非常に扱いが難しいソフトウェアです。
 だからVOCALOIDをより人間らしく、「まじでこれ人間が歌ってんじゃねぇの??」というくらい自然に歌わせてしまう人は、楽器で例えると超絶技巧の腕の持ち主なのです。

 もはや職人技・神業。
 人間に等しく歌えるVOCALOIDは、ボカロのアーティストであるボカロPが技術を結集させた傑作なのです。

 なのでボカロ通でボカロに自然に歌わせるのがどれだけ難しいか知っている人がそういったボカロの声を聴くと、「おおっ」と感動を覚えます。

 「この職人技、やべぇ!」と。

 そんな感動を味わいたくて、次々に超絶技巧のボカロ曲を聴き漁るのです。

 こちらとか、




 こちらとか。


 (こちら実はVOCALOIDではなくて、UTAUというちょっと違うソフトウェアなのですが、どうしても聴いてほしくて貼りました。
 似たようなソフトウェアですが、UTAUの方が調整が難しいです。感動するから聴いて。

 これ本当に機械が歌ってると思うとびっくりすると思うので、ちょっと聴いてみて

 ちなみにソフトウェア上でボカロの声の圧や高さを調整する行為を、ボカロ用語で「調教」と言います。
 そして「まじで人間じゃねぇの」というくらい華麗に歌っているボカロ曲には「 #神調教 」というタグが付きます。

 これ以上ない賞賛なのですが、時々うっかり道端で「このボカロPマジ調教神がかってる!!!」とか叫ぶとちょっと大変かなり気まずい思いをするハメになります


総合芸術として見てて楽しい


 ボカロ曲は前提として「動画ありき」で見られます。
 そしてボカロ曲における動画の存在は、人間のアーティストのMVよりも強い意味を持つものです。

 なぜならボカロ曲が投稿されるのは「動画サイト」であり、ボカロ曲に出会う人は「動画を見にきている人」だから。

 どんなにいい曲でも、動画がしょぼいと三秒でバイバイされることもあります。
 だからボカロ曲を公開する人たちは、動画にも並々ならぬこだわりを持っているのです。

 ボカロ曲の多くはイラストを使用した動画が用いられています。
 多くのボカロ曲は「」そして「イラスト」「動画」によって個性が成立していると言って過言ではないでしょう。

 だからボカロ曲って、見てて楽しいんです。

 だっていい動画じゃないと見てもらえないから
 だからいい動画がゴロゴロしてるから

 聴いてて楽しい、見てて楽しい。
 それがニコニコ動画が生み出した、ボカロ曲の多面的な魅力です。







 最後の曲はNHKのみんなのうたにもなってたやつですね。







振り切れて頭がおかしい、振り切れてシモい

 ボーカロイドは下ネタの宝庫です!!!!!!!!!!!!!!!



 はいちんkが好きな人ここ!!!!!!



 まんkが好きな人はこっち!!!!!!!!!!!


 これ松岡充が歌ってるバージョン!!!!!!!!!!!!!!!



 松岡充どうした??????????




 ボカロが歌う歌わせられる曲の下ネタレベルは基本的に振り切れています!!!
 だって歌うの人間じゃないから!!!!!


 二次元の萌えキャラが!!!!!!
 ちんkだのまんkだの!!!!!!!!!!
 卑猥な単語を輝く笑顔で歌ってくれる!!!!!!!!!!!!!
 なんて素晴らしい文化なんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!





 かくも日本人とは罪深き民族です。





 とにかくボカロ曲のシモ度は常軌を逸しているというか正気を失っているので、ちょっとアクの強い下ネタ曲無いかなって方は一度足を踏み入れて見ると良いと思います。そして後悔したらいいと思います





VOCALOIDとは芸術のジャンルである


 以上、6つの思いついた理由を解説してみました。

 VOCALOIDとはもはや1つのジャンルとしての立場を確立しています。

 クラシックが好きな人が突然ロックを聴かされても魅力が掴めないでしょうし、J-POPが好きな人が日本の伝統音楽を聴かされても何を聴いていいか分かりませんよね。

 でもそれらはそれぞれ、「ここがこう楽しい・美しい・良い」という魅力があるわけです。
 ボカロもそれと変わりません。 




 少しでも多くの方にボカロ曲の魅力を届けることと、ボカロ好きな人ってなんなん? という疑問の解消に役立てたらいいなと思います。 
 下ネタは置いといてだな